異世界転生マンガは、報われない中年や生きづらい若者にとっての夢の逃避場所です。現実世界ではなかなか経験できない冒険や成長が、主人公を通じて体験できます。これらの作品を読むことで、自分も立ち直り、新たな可能性を感じることができるのだと漫画家も考えているのでしょう。
News
2000年代以降に、アニメやラノベを中心に人気となった“異世界転生”。今も、大手書店で専用の本棚やコーナーが設けられるなど、一過性のブームではなくすっかりジャンルとして確立している。人気作『おとぎぶっ殺シアム』に続き、新連載がスタートする『忍法異世界転生 〜風魔小太郎は異世界で人間を取り戻す〜』(LINEマンガ/1月22日から)もそのひとつ。本作の作者・クロタロウさんに、異世界転生ヒットの理由、制作の裏側を聞いた。
【漫画】戦国時代の超有名忍者が異世界に! “まさかの転生”で大活躍する『忍法異世界転生』
■誰もが1度は想像する「生まれ変わったら」、「異世界転生」はそれをかなえてくれる
――前作『おとぎぶっ殺シアム』が好評のなか、そこから間髪入れずに新連載をスタートされます。本作は、忍者・風魔小太郎が異世界に転生する物語ですが、どのような経緯で生まれたのですか?
【クロタロウさん】もともと忍者が大好きで、「次回作は忍者がいいなぁ」とふわっと思っていました。前作の終盤に担当さんから「webtoonに挑戦しませんか?」と言われ、描くと決めた時に、さらに担当さんから「異世界転生ものでどうですか?」と言われて。「じゃあ忍者が異世界転生するか」という流れです。
――昨今「異世界転生」ものは、マンガの人気ジャンルとして一大勢力になっていますが、この人気について、クロタロウ先生はどのように分析されますか?
【クロタロウさん】そうですね。僕は30代前半の世代ですがマンガに救われてきました。面白い作品に支えられ、つらい時、心の支えになっていた作品がいくつもあります。その面白さが簡略化され、気軽に楽しめる作品が「異世界転生」なのかなと。僕らが「ずっと読みたかったジャンル」だったのかなぁと思ってたりしています。
――「ずっと読みたかったジャンル」というと?
【クロタロウさん】「輪廻転生」という言葉が昔からありますが、「生まれ変わったら何になりたいか」「もっとこうしていれば」「もっとこうだったら」という願望は、誰もが一度は想像するじゃないですか? それをかなえてくれるひとつの「ジャンル」が生まれたんだなと。僕らの世代は本当にマンガ好きが多いですから。
昔の人たちは、経済などがどんどん発展していくなかで、頑張った分報われていた時代だったんだろうなと感じてます。ところが近年では世界情勢の緊迫感も加わり、若い子たちはさらに大変な時代になっていくと思います。
――なるほど。こんな時代だからこそ、現実世界の閉塞感をマンガという形に昇華した作品を求め、ヒットにつながっているというわけですね。
【クロタロウさん】そうですね、そう思います。
■本作は、自我を押し込めて死んでいった忍者が『人間を取り戻す』物語
――「異世界転生」というと、現世ではさえない男が異世界に行って活躍するという作品が多いイメージですが、本作では主人公が忍者です。なぜ「風魔小太郎」を主人公にしようと思ったのですか?
【クロタロウさん】忍者一族って調べると本当にたくさんいて、いろいろな言い伝えがあって楽しいですよね。有名な人物も実は忍者の出だったとか。実は、主人公は風魔小太郎にすると最初から決めていました。身の丈が2メートルもあり、目や口が裂け、大きな牙が生えていたとか、常人離れした逸話が面白く、ファンタジーで描きやすいなと。
――確かにキャラクターとして魅力的ですね。
【クロタロウさん】はい。それに風魔小太郎は、忍として生涯を全うしているので、すべての自我を押し込めて死んでいった。僕らの身近にある普遍的で当たり前の感情、愛、友情などは一切なかったはずなんです。だから、異世界に転生してから小太郎にとっては初めての経験になる。風魔小太郎の『人間を取り戻す』物語を描いていきたいなと思っています。
――それは面白いですね。クロタロウ先生は本作が初のwebtoon作品ということですが、実際に描かれてみていかがですか?
【クロタロウさん】没入感がすごいですね。流れるようにコマを見て、色もついてますから世界に入り込めるんじゃないかなぁと思います。私はカラーが苦手だったので、だいぶ苦労しましたが(笑)。あと読者さんには関係ないかもですが、アナログでは作れないところが、デメリットかなと思います。
――公開に先行して数話を読ませていただきましたが、スピード感・迫力のあるバトルシーンがとても印象的で、お言葉にある通り、物語に没入しますね。これまで描いてきた作品と比較して、どんなところを意識して描かれていますか?
【クロタロウさん】ありがとうございます。横読み作品は、専門用語で『めくり』という、見開き単位で最後の1コマを興味の湧く『引き』にしてページをめくらせる技法があるんです。でもwebtoonは縦読みなので、見開き単位で考える概念がないんですよね。
――たしかにそうですね。
【クロタロウさん】ずっと横読みのマンガを描いてきて、見開き単位、いや「毎ページの最後のコマは引きにしろ!」と昔から言われて作ってきたんです。だから「『めくり』がないなんてつまらないなぁ」と思っていたんですが、「そうか!webtoonは毎コマ引きなんだ!」って思いながら最近は描いています。
あと、「縦画面なんだから縦を生かした絵を入れよう」と意気込んでいろいろ模索して描いていますが、結局は横読み作品と同じで、絵の巧みさよりも「面白いか」が一番重要。そこに一番重きを置き続けないとな、と忘れないようにしています。絵で楽しみすぎないように。
――同じ“マンガ”でも意識するポイントが異なるんですね。では最後になりますが、新たに始まったこの新連載を通じて、どんなメッセージを伝えていきたいですか?
【クロタロウさん】この閉鎖的な世の中で生きている今の若い子はもちろん、生きづらさを感じている大人の方々に、風魔小太郎が初めて感じる幸せを一緒に感じてもらいながら、読んでいただけたらとてもうれしいです。
(出典 news.nicovideo.jp)
関連リンク
|
ネットの反応
別に願望を叶えてくれると真面目に考えて読んでる夢見がちな人なんていないでしょ。単に導入や種族などが定型で一つ知ってれば以降ストレスなく読める上、ざまぁ展開や無双など爽快な場面が多いので頭働かせなくても快感を得やすいから読んでるって人が大半だと思うけど。
革命煽動する共産党のプロパガンダの側面が強いから
単純に作者の芸の引き出しが「それ」しかないだけ それ以外の引き出しがあるならわざわざ有象無象のジャンルに食いつくのはしない
現代の知識を持ったまま異世界に行くという都合のいい設定をクリアする、ちょうどいい展開ってだけ
主人公と読者が他人なら無難な造形が出来るけど、読者の願望を叶える作品は理想的な分身が必要。その読者にとって絶妙に身勝手で絶妙にイキリで絶妙にスケベでなくてはならず、万人受けは難しい。異世界おじさんは他人ポジなので面白かったけど、分身ポジならエロ展開を潰す害悪になってた。
異世界転生はつらい現実からの逃避願望。追放系なんかは「自分は有能なのに社会が認めてくれない」って想いを投影してるんかなぁって思う。実際、どうかは知らんけど
なぜ人気か。それはまず「書き手に人気」だからよ。
あと、主人公が転生前はおっさんだったり社畜だったりするのを「現実で辛い思いをしてる人を気持ち良くする為」とか勘違いした理由を語る人居るけど……あれ、さっさと異世界から帰らないって言う選択を取らせる為や現実世界の知識をもって活躍させやすくする為ゾ(いや、もちろん話によるけど)。逆に最終的に現実世界に戻る作品は主人公が若かったり複数人転生してる事が多々。
小学校の頃パッとしない上級生が下級生に交じって遊びたがる現象に似ていると思う。
ランキング上位のテンプレ作にはFランが書いたような駄文が多い。それが支持されているのは、読者(毒者?)が実はまともに文章を読んでさえいないことを如実に示している。じゃあ彼らは何を見ているのか?
語り部の視点が現代人、自分で済むので仮想化する必要が無いから楽なのよね
令和になったのにまだこんな的外れなこと言っている人がいるのか。
中には面白いものもある。実際一昔前のラノベだって同じような設定もあるし。ただ最近のは筋というか論理的に通らないのにごり押すようなものがあるのと、何よりタイトルがね。馬鹿にもわかるようにクソ長い説明系のタイトルが気になってね。